3年間暮らしたシェアハウスTHE C SANJO(以下シェアハウスと表記)を去る決意をしたMさん。二分脊椎という障害を持ち、天候により発作が起きる難病と闘っています。シェアハウスで過ごした3年間で感じた様々な想いを赤裸々にお話ししてくださいました。新しい生活を目の前にした現在の心情、課題や目標などもお聞きしました。利用者様、ご家族のリアルな声をお届けします!シェアハウス入居前はお母様と二人暮らししており、介護サービスの利用は日中の生活介護と入浴支援のみだったそう。ご家族の負担や、障害特性上、エレベーターに乗ることが辛く住居環境的にも問題を抱えていたといいます。シェアハウスに入居した経緯Mさん『元々は、母の負担を軽減する為にショートステイを探していました。色々な施設を相談員さんから紹介していただいたのですが、なかなか自分に合う施設が見つからず悩んでいた時にHIDAMARIGROUPを見つけました。偶然に高校の友人がHIDAMARIGROUPのシェアハウスに入居しておりFacebookに暮らしの様子が投稿されていました。投稿を見て、直感で“ここだ!”と思いすぐに相談員さんに連絡しました。そこから見学に行き、入居する為に何度も会議を重ねました。天候による発作をもっているのでその対応法や生活リズムの希望など、自身や母の不安を解消する意味でもたくさんの話し合いを経て入居を決めました。』入居から現在までどういった日々を過ごしましたか?Mさん『シェアハウスに入居してから家族以外の人と関わる時間が一気に増えました。多くのヘルパーさんと関わることや、自分の生活スタイルに慣れるまでに時間がかかりました。自分と歳の近いヘルパーさんが多かったのでそこはありがたかったです。ただ、自分では不安や心配はあまりないつもりでいましたが、大きな環境の変化により体に負担になっていたなとか少し無理をしていたなと後から気づくこともありました。入居して3ヶ月経ち、ようやく生活に慣れてきた頃に大きく体調を崩してしまいました。体のしびれや痛みから始まり、嚥下困難により刻み食からペースト食になったり、顎関節症により口が開かず点滴する日々が続いたり…。全身の痛みに耐えられず医師から人工呼吸器の提案もあり、正直“死にたい”と思うこともありました。体力的にも精神的にも辛い日々でした。そんな時にスタッフさんに「今一番食べたいものはなに?」と問われ「メロンパン」と答えたところ、『じゃあメロンパンにかぶりつくことを目標に一緒にがんばっていこう!!』と言われ、ほんの少し前向きになりました。また、スタッフさん全員が空き時間にこまめに訪室してくれたり、身体の痛みを和らげられる方法を考えてくれたり、一生懸命ケアをしてくださる姿に気持ちがフッと上がる瞬間がありました。そこから前向きに療養を続け、数ヶ月後にメロンパンにかぶりつくことができるまでに回復しました。心が折れてしんどいとしか思えない時期だったので、目標を持ちそれを達成することは自分の中で大きな成功体験になりました。ここに住んで本当に良かったと思いましたし感謝の気持ちでいっぱいです。ここのスタッフさんたちは比較的若い方が多いのにも関わらず、動じずに発作対応やイレギュラーな対応をしてくださり漠然とした不安も和らぎました。当時は全員を頼りに生きていました。』Mさんのお母様より『スタッフの皆さんにとても感謝しています。既存のスタッフさんはもちろん、退職されてしまってお礼を言えていない方もいますが関わってくれたスタッフさん全員に感謝しています。娘がシェアハウスにきてから見る世界が変わりました。今まで自分たちが大変だと思っていたことや苦労してきたこと全てを受け入れてくださる姿勢、入居前の顔合わせの際に入居を受け入れてくれる前提で話をしてくださったことは今までになかったので、本当にたくさん救われました。娘が体調を大きく崩した時期のスタッフ皆さんの対応には本当に感謝しています。ただ私はスタッフさんに何も返せないから、シェアハウスへ足を運ぶ回数を増やしたり、機器の使い方を覚えたり、スタッフさんへの負担が減ることはできる限り全部やろうという思いでいました。ここで娘が暮らしてから私自身も考え方が変わりましたし本当に刺激の多い日々でHIDAMARIGROUPにお世話になって本当に良かったと思っています。』Mさんはオンライン上で直接接客しているような対応が可能の分身ロボットを活用し、東京のカフェ店員として働いており、PCを使い受付や注文などの接客を支援の合間で行っています。最近、すごくイキイキと仕事をしてるとスタッフから情報がありました!Mさん『この仕事は友人からの紹介で知り、直感で“やりたい!”と思いました。決めるときはいつも直感です(笑)ただ志願倍率が高いので選考が厳しく、受かる為にたくさん準備しました。無事合格したのは良かったのですがシェアハウス入居前の生活スタイルではなかなか仕事をする時間がとれず、又、体調が安定しなかったりと思うように仕事をすることができませんでした。シェアハウスに入居後もしばらく思うようにできていなかったのですが、1年程前から体調が安定し、仕事に取り組めるようになりました。今では支援に入ってもらう合間の空き時間はほとんどシフトを入れるようにしています。仕事をコンスタントに続けられるようになってから、12年以上大好きだった某アイドルグループもいつの間にか興味がなくなってしまって。。(笑)夢中になれるものができたからかもしれません。大変なこともあるけれど、それ以上に働けることが嬉しいし、仕事で出会う方々との関わりがとても楽しいので今後も頑張っていきたいです。』初給料が出た際には、辛い時期を乗り越えられたお礼として、スタッフに感謝の気持ちを込めプレゼントを贈ったというエピソードも。シェアハウスに入居したことや以前通っていた生活介護、仕事など、人生にとっての大きな出会いは、何かの偶然が重なり必然的に出会うことが多いから私はついていると笑顔で話すMさん。大きな決断をする時は直感を大事にしていると言います。Mさんのお母様より『娘は成人の祝いの時、“服も靴もなにもいらないから携帯だけ買って”と言いました。それまで全く携帯を必要としない生活を送っていたのでどうしてだろうと思っていましたが、成人祝いであげた携帯をきっかけに、昔の友人との繋りや、SNSでのコミュニティ内での情報交換など、世界が広がり交流も増えた様子でした。シェアハウス入居や仕事に出会うきっかけもSNSを通してなので、携帯をプレゼントして本当に良かったと思っています。』三年間を通しての思い出大変と感じることはありましたか?Mさん『母と二人きりの生活から1日を通して一気に関わる人の数が増え、入居当初はそこが大変でした。共同生活も初めてでしたし、入院とはまた違って。その時はなにも思わなくても慣れるまでは、後からどっと疲れてしまうこともありました。シェアハウスの仕組み上、仕方のないことも理解していますが支援時間の変更など、体調によっては負担になることもありましたし反対にありがたい時もありました。ここに住んで学んだことはたくさんあります。実際に利用することで障害福祉サービスへの知識や理解も深まりましたし今後自立した生活をしていく上での経験値として得られるものもたくさんありました。』楽しかったことや思い出は?Mさん『普段の何気ないスタッフさんとの会話は本当に楽しいです。みなさん個性豊かで楽しませてもらっています。シェアハウス入居前は全く外出できていなかったのですが、入居後に初めての長距離移動に挑戦し、長久手に遊びにいきました。これも自分にとっては大きな成功体験で。移動支援を使って買い物や美容院、カフェなどにも行くことができ、ここで暮らしてから外に出る機会が圧倒的に増えました。最近はお花見にも行ってきました!できることが増えるって本当に楽しいですし、皆さんのサポートにとても感謝しています。』退去を決めた理由Mさん『これという理由はないですが、自立に向けてここを出ていくことはもともと念頭にありました。正直に話すと、もう少し落ち着いて生活がしたいという気持ちはあります(笑)シェアハウスなのでどうしても自分一人という訳にはいかなくて、気を抜ける時間を作りたい、自分の時間がもっと欲しいという欲が出てきました。自分が思っていた以上に繊細で過敏症だったということに気づけたことは大きな収穫です!もう一つの理由に、自分の人生を長い目で見た時に、自立した生活ができれば自分のペースでやれることの幅も広がるのかなと思いました。仕事をする時間をもっと増やしていきたいとも考えています。どこで暮らしても課題や悩みはでてくると思いますし、前向きな気持ちで一旦シェアハウスを離れ、新しい生活に向けて準備しているところです!準備は大変ですけど(笑)楽しみです!!』Mさんの新生活に皆さんでエールを送りましょう!!!